3月1日終値 | 前日比 | 騰落率 | |
ダウ工業株30種平均 | 3万3294.95 | ▼597.65 | ▼1.76% |
ナスダック総合指数 | 1万3532.46 | ▼218.94 | ▼1.59% |
S&P500種指数 | 4306.26 | ▼67.68 | ▼1.55% |
・中古車ECサイトのブルーム 決算嫌気され過去最安値を更新
・デジタル医療のグッドRxが大幅続落 投資判断と目標株価の引き下げ相次ぐ
・AMDが出来高首位 ロシア制裁の影響懸念され大幅安
・フィンテックのソーファイが時間外で急伸、2022年度見通しが市場予想上回り
・アムニール・ファーマのバイオシミラー、米FDAが承認 年内発売へ
・ハリバートン、サウジアラビアに初の特殊化学工場開設
・セールスフォースのベニオフ共同CEO ロシアの軍事侵攻に強い不快感
・ファイザー・カナダ、高血圧治療薬をリコール 発がん性不純物含まれ
・マラソン・ペトロリアム、フィンランドのネステと再生可能燃料施設計画で合弁
☆中古車ECサイトのブルーム 決算嫌気され過去最安値を更新
中古車EC(電子商取引)サイトを手掛けるブルーム(NASDAQ:VRM)が1日発表した2021年10-12月期(第4四半期)は市場予想に届かず、これが嫌気されて株価は過去最安値を更新する大幅安となった。
10-12月期の損益は1株あたり0.95ドルの損失を計上した。ロバート・クラコビアク最高財務責任者(CFO)は決算説明で、「2022年については、eコマースのGPPU(単位あたり粗利益)がさらに高まると予想している」と語った。10-12月期中は、マクロ環境の逆風と在庫管理に苦しみGPPUが弱くなったようだとアナリストらは指摘している。
ウェルズ・ファーゴはブルームの株価目標を16ドルから6ドルに引き下げた。トゥルーイストは決算発表に先立ち40ドルから11ドルに大きく下方修正している。一方、スタイフェル・ニコラウスは押し目買いを推奨している。
ブルームの株価終値は、前日比46.55%安の3.25ドルでこの日の下落率首位となった。
☆デジタル医療のグッドRxが大幅続落 投資判断と目標株価の引き下げ相次ぐ
処方薬の価格比較や各種検査、遠隔診断など医療のデジタルソリューションを提供するグッドRxホールディングス(NASDAQ:GDRX)は、28日発表の2021年10-12月期(第4四半期)決算が期待外れに終わったため、1日の取引でも株価が大幅に続落した。
決算発表を受けて、投資判断の引き下げや目標株価の下方修正が相次いでいる。
グッドRxの株価は、1日終値が前日比38.91%安の16.74ドルで、年初来の下落率は48.78%に達した。
クレディ・スイスはグッドRxに対する投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げし、目標株価を41ドルから27ドルに引き下げた。同社のアナリスト、ジャイレンドラ・シン氏は、処方薬サービスを取り巻く業界環境は進化し続けて競争も激しくなっているため、グッドRxが中核とするビジネスモデルの視界が2年前よりも不明瞭になっていると指摘している。
カウエンも投資判断を「アウトパフォーム」から「マーケットパフォーム」に変更して、株価目標を22ドルに引き下げた。
バークレイズは「アウトパフォーム」に投資判断を据え置きつつ、目標株価を43ドルから35ドルに下方修正した。
JPモルガンは株価目標を33ドルから20ドルに引き下げた。
☆AMDが出来高首位 ロシア制裁の影響懸念され大幅安
半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)は1日、特に個別の材料はなかったがロシアのウクライナ侵攻が悪化の一途をたどると投資家が懸念したため、出来高を伴い株価が急落した。
AMDの1日終値は前日比7.71%安の113.83ドルで、出来高は1億2655万株と65日平均の8314万株を大きく上回り出来高首位となった。
半導体企業は、米国をはじめとする世界各国がロシアに対して行った経済制裁に従い、ロシア向けの製品出荷を停止している。
☆フィンテックのソーファイが時間外で急伸、2022年度見通しが市場予想上回り
融資仲介サービスの新興フィンテック、ソーファイ・テクノロジーズ(NASDAQ:SOFI)は、1日発表した2021年10-12月期(第4四半期)決算が予想を上回り、市場予想を大幅に上回る22年12月期の見通しを示したことから、通常取引終了後の時間外取引で株価が大きく跳ね上がった。
1日終値は前日比2.18%安の11.10ドルだったが、時間外取引では一時13.78ドルをつけ、その後は終値比18.13%高の13.23ドルとなっている。
22年通期の調整済みEBITDA(金利・税・償却前利益)は1億8000万ドルを見込んでいる(市場予想は1億5710万ドル)。1-3月期の調整済み純収入は2億8000万ドル〜2億8500万ドルを予想しており、市場予想の3億360万ドルを下回ったが、これには連邦学生ローン支払い猶予が5月1日まで延長になった影響を3000万ドル〜3500万ドル見込んでいる。
☆アムニール・ファーマのバイオシミラー、米FDAが承認 年内発売へ
ジェネリック医薬品会社アムニール・ファーマシューティカルズ(NYSE:AMRX )は1日、好中球減少症治療薬フィルグラスチムについての生物学的製剤申請(BLA)を米食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。これはアムジェン(NASDAQ:AMGN)が開発した「Neupogen」のバイオシミラー(バイオ後続品)で、「RELEUKOTM」の商品名で今年7-9月期の発売を予定している。
RELEUKOTMは、シカゴのカシブ・バイオサイエンシズと共同開発した製剤で、化学療法中の患者によくみられる好中球減少症の治療に用いられる。
アムニールはこの他に、同じくアムジェンのG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤「ニューラスタ」(一般名:ペグフィルグラスチム)とロシュのVEGFモノクローナル抗体「アバスチン」(一般名:ベバシズマブ)について、それぞれバイオシミラーの発売を年内に計画してFDAに申請している。
☆ハリバートン、サウジアラビアに初の特殊化学工場開設
油田サービス大手ハリバートン(NYSE:HAL)は、サウジアラビアに初の特殊化学工場を開設した。この施設では、石油および天然ガス産業全般やその他の産業向けに幅広い化学品を製造できる。
この施設においてハリバートンは次世代型特殊化学品の製造を加速し、中東における同社の製造基盤を拡大する。
「世界クラスのこの工場は、過去10年余りにおよぶ10億ドル以上にわたるサウジアラビアへのコミットメントの一環だ。この国におけるわれわれのプレゼンスをさらに高め、現地の供給業者や販売業者、他の製造パートナーや現地の労働力に新たな機会を提供して、サウジの総価値を高めるプログラムを支援する」とハリバートンのジェフ・ミラー最高経営責任者(CEO)は述べている。
この工場では、中東地域の工業用水や製油所、石油化学プラント、その他の重工業事業をはじめとする処理手法の市場に役立つ特殊化学品の調査と出願も行う。
☆セールスフォースのベニオフ共同CEO ロシアの軍事侵攻に強い不快感
顧客情報管理(CRM)ソフトウエア大手セールスフォース・ドットコム(NYSE:CRM)のマーク・ベニオフ共同最高経営責任者(CEO)は1日、同社の11-1月期(第4四半期)決算説明において、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に対する不快感をあからさまに示した。
ベニオフ氏にとってウクライナでの戦闘は、遠く離れた2つの国々の間での衝突にとどまるものではない。「私の曽祖父はキエフからの移民だ」と述べ、「私の祖父はここ米国で生まれ、私はサンフランシスコの人間として4代目にあたる。(ウクライナでの)無意味な痛みと苦しみに心が本当に張り裂けている」と感情をあらわに語った。
セールスフォースはウクライナやロシアに従業員はおらず事業も行っていないが、この戦争の影響を受けた人々への人道支援を提供する方法をさらに模索していると述べた。
同社の11-1月期決算では、調整後1株利益が0.84ドル(市場予想は0.75ドル)、営業収益は73億3000万ドル(同72億4000万ドル)だった。ベニオフ氏はこの決算について「おそらくわが社にとって史上最高の四半期だった」と語った。
☆ファイザー・カナダ、高血圧治療薬をリコール 発がん性不純物含まれ
製薬大手ファイザー(NYSE:PFE)の子会社ファイザー・カナダは、高血圧治療薬「Inderal-LA」(一般名:塩酸プロプラノロール)徐放カプセルについて、許容濃度を超える発がん性化合物であるニトロソアミン不純物(Nニトロソ・プロプラノロール)が含まれているとして、60ミリグラム〜160ミリグラムの全ロットを回収している。
Inderal-LAはβ遮断薬で、成人の高血圧治療や狭心症の予防に用いられていた。
カナダ保健省は、許容濃度を超えるニトロソアミン不純物を毎日70年間服用し続けるとがんになる危険性があるが、短期間であればすぐリスクがあるということではないとしている。ただ、患者は医療提供者に連絡し、他の治療法について相談する必要があると述べている。
☆マラソン・ペトロリアム、フィンランドのネステと再生可能燃料施設計画で合弁
米独立系石油精製大手マラソン・ペトロリアム(NYSE:MPC)とフィンランドの再生燃料大手ネステは1日、カリフォルニア州マルティネス製油所の再生可能燃料施設への転換プロジェクトについての合弁事業を発表した。
施設転換費用の予算は12億ドルだが、ネステがプロジェクト全体の半分にあたる10億ドルを出資する。
マルティネス製油所は、日量160キロバレルの原油精製力があり、サンフランシスコ市場に供給している。再生可能燃料施設に転換後は、日量最大48キロバレル(石油換算相当)の精製力になり、市場への供給量は減るが、再生可能燃料の利益率の高さとカリフォルニア州の炭素クレジットの恩恵を受けることになる。
ネステは、石油精製施設を再生可能ディーゼル生産施設に転換したことで知られており、飼料用大豆などではなく廃棄物や残留物を原料とする優れたサプライチェーンを開発したことで同業他社とは一線を画している。