企業分析の老舗、アーガス・リサーチは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック(世界的流行)が収束した後も、スーパーマーケットや薬局チェーンを展開するクローガー(NYSE:KR)の見通しは明るいと考えている。

 アーガスのアナリスト、クリス・グラジャ氏は、次のように述べている。

 「クローガーは、COVID-19の感染拡大を背景とした食料雑貨類の高い需要が追い風となっているが、コロナ禍後の見通しも素晴らしいと考えられる。その要因としては、手頃な自社ブランドや世界水準の顧客分析力、オンライン注文と置き配をほぼ全店舗で行っていることが挙げられる。コロナ禍で米経済はリセッション(景気後退)に追い込まれ、失業率が急速に高まり、小売業界の大部分が壊滅的な影響を受けた。その結果、投資家は将来に十分備えたビジネスモデルのある企業と、将来に大きな課題を抱えた企業を差別化している。その中でクローガーは生き残るだろう」。

 そのうえでグラジャ氏は、「クローガーは市場占有率を拡大し続けている。魅力的な価格設定を武器に、コロナ禍以前からシェアを拡大し、パンデミック下においてもさらに拡大している」と指摘した。

 アーガス・リサーチはクローガーに対する投資判断を「バイ」として、2021年度(21年2月〜22年1月)の予想1株利益(EPS)を従来の2.60ドルから2.70ドルに上方修正した。コンセンサス予想は2.69ドルとなっている。また、目標株価は、コンセンサスの34.92ドルに対し、アーガスは40.0ドルとしている。7日終値は30.95ドルだった。
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