細胞代謝分野のがん治療薬開発を中心に手掛けるアジオス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:AGIO)は17日、治療歴のあるイソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)変異型胆管がんの患者を対象にIDH阻害薬「TIBSOVO(一般名:イボシデニブ[ivosidenib])錠」の有効性を評価する第3相臨床試験の最終データに関する全分析結果を発表した。15日から17日にかけてオンラインで開催された米臨床腫瘍学会(ASCO)の消化管がんシンポジウムで明らかにした。

 TIBSOVOはプラセボ(偽薬)との対照試験において、2次的評価項目である全生存期間(OS)の改善が認められたが、統計学的な優位性は達成しなかった。無作為に割り当てた患者について、TIBSOVO群のOS中心値は10.3カ月で、プラセボ群では7.5カ月であった。この臨床試験実施計画書では、疾患進行時において、プラセボ群の患者はTIBSOVO群へのクロスオーバーが認められており、プラセボ群の70.5%がクロスオーバーを行った。これを因果推論に基づく補正解析(RPSFT)法で調整したプラセボ群のOS中心値は5.1カ月となった。

 一方、安全性のプロファイルは、これまでに公表されたデータと一致していた。以前の発表にあったように、主要評価項目である放射線検査による無増悪生存率(PFS)は統計学的に有意な改善が認められた。

 胆管がんは比較的まれな腫瘍で、中でもIDH1変異は胆管がんの症例の約10%で認められる。現在、しょうにんされた全身療法はなく、高度医療施設における限局部位に対する化学療法程度しかない。

 TIBSOVOはこれまでに再発性・転移性のIDH1変異を有する急性白血病(AML)に対して米食品医薬品局(FDA)の承認を得ており、2019年には初発AML成人症例への追加適用も承認された。アジオスは治療歴のあるIDH1変位型胆管がんに対する追加新薬承認申請(sNDA)を1-3月期中に提出する予定でいる。
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