フランスの石油大手トタル(NYSE:TOT)は18日、インドの新興財閥アダニ・グループから太陽光発電開発大手アダニ・グリーン・エナジー(AGE)の株式20%を25億ドルで買収することに合意した。同時に、AGEが保有し運営する2.35ギガワットの太陽光発電設備の50%の権益も取得する。トタルはAGEの取締役会にも参加する。

 トタルはインフラ投資に注力するアダニ・グループと、インド国内の液化天然ガス(LNG)ターミナルやガス供給事業、再生可能エネルギー設備などへの投資について提携している。アダニ・グループは、インド国内に54カ所の風力発電および太陽光発電の設備を保有している。

 AGEは現在、3ギガワットの再生可能エネルギー生産設備を運営し、さらに3ギガワットの設備を建設中で、8.6ギガワットの設備も開発している。2025年までに25ギガワットの発電量の達成を目指している。

 トタルは、50年までに再生可能エネルギーの売上高が全体の40%を占め、カーボンニュートラルを達成することを目標としている。20年末時点で7ギガワットの再生可能エネルギー生産力を25年までに35ギガワットに拡大することを目指している。

 その一環としてトタルは、1月11日にはフランスのバイオガス生産会社Fonroche Biogazを買収し、14日には米国で12カ所の太陽光発電および蓄電システムを建設する韓国ハンファグループ傘下の174 Power Globalとの合弁事業に出資を発表した。

 また15日には、脱炭素に対する姿勢が一致しないとして、米国石油協会(API)からの脱退を表明している。
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