イスラエルでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を予防するワクチン接種が世界最速で進められている。同国は、ワクチンの供給を途切らせない代わりに、ワクチン接種の情報を提供することで、製薬大手ファイザー(NYSE:PFE)と提携している。大量な個人情報の提供が大手製薬会社を利することになる、と倫理上の問題も指摘されている。
ファイザーは、イスラエルにワクチンを供給し続ける代わりに、毎週、さまざまな年齢層に対する接種情報を取得する。
各国がコロナワクチン接種を競い合うように急ぐ中、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は18日、製薬会社とこうした契約を結んでいる国々に対して契約情報の透明性を、ワクチンを製造する各社に対してはリアルタイムで完全な情報をWHOに提供するよう求めた。
テドロス氏は「49カ国以上の高所得国で3,900万回分以上のワクチンが接種されている。低所得国で接種されたのはわずか25回分だ。2,500万でも2万5,000でもない。たったの25回分だ。貧しい国々の医療従事者や高齢者よりも先に、富裕国の若く健康な成人に接種するのは正しいことではない」と語った。
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