米エネルギー企業キンダー・モルガン(NYSE:KMI)のキンバリー・ダン社長は27日の投資家説明会で、天然ガスのパイプラインを売却する動きが今後さらに増えると予想され、価格が妥当であればそうした資産を買収する可能性を検討すると語った。
同業大手のドミニオン・エナジー(NYSE:D)は昨年7月、天然ガスパイプラインと貯蔵施設を全て、投資会社バークシャー・ハサウェイ傘下のエネルギー事業会社に売却した。ドミニオンは、費用負担が増加し、環境保護団体からの法的圧力が高まる中、米東海岸で進めていた天然ガスパイプラインの事業計画も中止した。
ダン氏は、「さらにこうした動きが市場に出る可能性があると思う」と述べ、天然ガス事業は息が長いと考えており、原油パイプラインで、天然ガスや再生可能エネルギー、水素など他の製品を扱う可能性もあるとした。「貯蔵施設でも天然ガスパイプラインでも、検討対象であることは明らかだ」と語った。
キンダー・モルガンは総延長約5000キロメートルの原油パイプラインを運営している。
キンダー・モルガンの天然ガスパイプライン事業を担当するトム・マーチン社長は、「新しいパイプラインの建設はますます難しくなっている」と述べ、既存の原油パイプラインについて、十分に活用されているかどうかを検証すると語った。
設備投資計画は、2019年の23億8000万ドルから20年には約17億ドルに減額され、21年はさらに8億ドルにまで削減される。
バイデン新政権下での環境規制強化に目配りしつつ、新規設備投資を抑えながら成長を模索する姿勢だと思われる。
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