英オックスフォード大学は15日、脳静脈血栓症(CVT)と呼ばれるまれな血栓症を発症するリスクは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した場合、正常時よりも100倍程度高く、COVID-19のワクチン接種後よりも数倍高いとする調査結果を発表した。

 COVID-19と診断されてから2週間以内にCVTを発症した症例数と、1回目のワクチン接種後のCVT症例数を数え、インフルエンザ感染後にCVTを発症する頻度や一般にCVTを発症する頻度と比較した。

 COVID-19の患者50万人以上では、100万人あたり39人の割合でCVTを発症した。ファイザー(NYSE:PFE)製またはモデルナ(NASDAQ:MRNA)製のmRNA型ワクチン接種を受けた48万人以上では、100万人あたり4人の割合だった。アストラゼネカ(NASDAQ:AZN)とオックスフォード大学が開発したウイルスベクター型ワクチン接種を受けた場合、CVTの発症率は100万人あたり約5人だった。血栓リスクが指摘され米国で使用が中止されているジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)のワクチンも同じくウイルスベクター型だが、この研究での分析対象には入っていない。

 この調査分析を行ったオックスフォード大学のポール・ハリソン教授は、「ワクチンがCVTに関連している可能性が懸念され、各国政府や保険当局が一部のワクチンの使用を制限している。だが、まだ分かっていない重要な問題がある。COVID-19と診断された後、CVTを発症するリスクはどうなのかだ」と語った。

 その上で、COVID-19がCVTのリスクを著しく高めることと、COVID-19に伴うCVTのリスクは現在のワクチン接種後にみられるCVTのリスクよりも高いという2つの重要な結論に達したと述べ、「これは予防接種のリスクとベネフィットのバランスを考える際に考慮に入れるべきことだ」と指摘した。
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