インドで昨年10月に検出された新型コロナウイルスの二重変異株「B.1.617」が、同国のウイルス検体の5割以上を占めるまで急激に拡大し猛威を振るう一方で、日本を含めオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、ドイツ、英国など20カ国余りでも検出されている。

 B.1.617には、E484Qというブラジル変異株に特有のスパイクタンパク質変異と、L452Rというカリフォルニア変異株が持つ変異があり、ワクチンの有効性を低下させ、再感染のリスクを高めることが懸念され、世界保健機関(WHO)も先週、懸念材料として指摘した。

 インドではこのところ、新型コロナウイルスの新規感染者が連日33万人余りと爆発的に感染が拡大している。同国の人々の行動様式もさることながら、この二重変異株が感染拡大の背景にあるのではないかとの見方もある。

 米バイオ医薬品のオキュジェン(NASDAQ:OCGN)が昨年12月に販売提携したインドの製薬会社バーラト・バイオテックが開発した新型コロナウイルスワクチン候補「コバクシン(COVAXIN)」は、実験室レベルの研究では二重変異株に対する中和活性を示した。この研究成果はまだ査読前のものだが、コバクシンは大手各社が開発したコロナウイルスに特有のスパイクたんぱく質を標的とするワクチンとは違い、ウイルス全体を標的とするワクチンで、変異株に対する切り札となるとみられている。
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