英蘭系石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェル(NYSE:RDS.A)は24日、テキサス州のディアパーク製油所について保有する50%の権益を、合弁事業を組むメキシコの国営石油会社ぺメックスに売却することで合意した。売却内容は、現金と債務に炭化水素の在庫を合わせ、総額5億9600万ドルとなる。炭化水素の在庫は、現在の市場価格で推計2億5000万〜3億5000万ドル相当とみられる。

 この合弁事業についてメキシコのロペス・オブラドール大統領は、国益が認められないとの批判を受けていたが、今回の合意を受けて「ぺメックスが100%のシェアを握ることになる」とし、「最重要事項は、2023年にガソリンとディーゼルを自給できるようになること。(そうなれば、)燃料価格の上昇はなくなる」と語った。

 シェルは、ディアパーク製油所の権利を売りに出す計画はなかった、とした上で、「ぺメックスから一方的な提案を受け、提携関係におけるわれわれの権利の移転に合意した」と述べている。この製油所の近くにあるディアパーク化学工場についてはシェルが100%保有しており、操業を続けるという。
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