アクティビスト(物言う投資家)として知られる米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントは、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(NYSE:GSK)のエマ・ウォルムズリー最高経営責任者(CEO)が今後も同社を率いていくべき人物か、疑問を抱いているようだ。

 英日刊紙デイリー・メールは30日、グラクソの大株主の話として、ウォルムズリー氏がCEOとして適任と考えるかどうかをエリオットが株主に個別に調べていると伝えた。

 エリオットは今年4月、グラクソの株式数十億ポンドを大量保有したことが報じられている。

 ウォルムズリー氏は2010年にグラクソに入社し、コンシューマーヘルスケア事業のCEOを経て17年から現職に就き、同社の立て直しを図ってきた。それ以前は、フランスの化粧品大手ロレアルで17年間、マーケティングなどの要職を務めてきた。

 現CEOは20年、グラクソのバイオ医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業を22年に新会社として分社化する計画を打ち出し、6月23日の株主総会でこの計画の最新情報を示すと予想されている。

 グラクソは、新型コロナワクチンの独自開発に失敗し、フランスの同業サノフィと提携して開発を進めているが、候補薬はまだ第2相臨床試験を終えた段階で発売には至っていない。

 デイリー・メール紙によると、大株主の評価は分かれていて、エリオットから幹部交代を要求されてもおかしくないとする声もあれば、事業が苦境に立たされているとは思えず、今後の計画を見極めたいとする意見もある。

 エリオットはグラクソの分社化計画を支持していないとの報道もある。事業の立て直しが急がれるとして、分社化の実現を前にウォルムズリー氏の退陣を求めることも予想される。
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