米国立衛生研究所(NIH)は3日、 特殊バイオ医薬品会社アダミス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:ADMP)が開発した抗酸化剤テンポール(TEMPOL)が新型コロナウイルス感染症の経口治療薬として有望な可能性があるとする細胞培養試験の成果を発表した。
テンポールは、ぜんそくやインフルエンザの呼吸器疾患治療やがん放射線治療による皮膚炎の治療への適用が開発されている。
NIHの研究チームによると、テンポールはRNAレプリカーゼと呼ばれるウイルス酵素の活性を弱めることで、新型コロナウイルスの感染を抑えることができる。新型コロナウイルスの複製を防ぐ経口薬は、この疾患の重症化を抑える重要な手段になり得るとしている。この研究はScience誌に発表される。
これまでの研究で示されたテンポールの安全性からみて、治療薬として有望だと思われるが、特に感染初期にウイルスの複製が始まる段階において患者に効果があるかどうかを評価する臨床研究が必要だとしている。研究チームはさらに動物実験を行う計画で、臨床試験で評価する可能性を探るという。
この発表を受けて、アダミスの株価は急騰し、3日終値は前日比0.43ドル(61.43%)高の1.13ドルとなった。
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