暗号資産(仮想通貨)を代表するビットコインは、今年4月に最高値を付けて以降、軟調に推移している。JPモルガンのストラテジスト、ニコラオス・パニジルツォグロー氏は9日のリポートで、その一因として先物価格が現在の直物価格よりも低い「バックワーデーション」になっていることを指摘している。
同氏によると、バックワーデーションは、機関投資家からの需要が弱いことを示している。正常な需要があれば、先物価格は通常、年率換算で10%程度直物価格よりも高い「コンタンゴ」の状態になるという。
だが、需要が顕著に弱く先行きの見通しが弱気に転じると、先物価格がバックワーデーションを形成する。ビットコインが1万3000ドル手前から3700ドル程度まで調整した2018年の大半において、この状態が見られたと指摘している。
ここ数週間でのバックワーデーションの形成は、弱気相場を示すマイナス材料だと考えられ、投資家は先物価格がコンタンゴに回復するまで、弱気な見通しを捨てようとはしないと思われるという。
また、暗号資産におけるビットコインのシェアが低下したことが、もう1つの弱気材料となっており、この弱気相場が終わったと言えるようになるには、先物の価格形成が正常化してビットコインのシェアが50%を超える必要があるとしている。
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