欧州医薬品庁(EMA)の安全性委員会(PRAC)は11日、アストラゼネカ(NASDAQ:AZN)がオックスフォード大学と共同開発した新型コロナウイルスワクチン「ワクスゼブリア(Vaxzevria)」について、毛細血管漏出症候群(CLS)の既往のある場合は接種すべきでないとの結論に達したと発表した。そして、このワクチンの注意情報に、CLSを新たな副反応として記載する必要があるとした。

 CLSは、毛細血管からの血漿の漏出を伴うきわめてまれだが重篤な症状で、主に四肢の膨張、低血圧、血液濃縮、低アルブミン血症などを引き起こす。

 因果関係を調査したPRACによると、ワクスゼブリアを接種後にCLSの症例が6例あり、その大半は女性で接種後4日以内に発症した。3例はCLSの既往があり、そのうち1例は死亡に至った。5月27日現在、EU(欧州連合)および英国では、このワクチンが7800万回分以上接種されているという。

 PRACはCLSの症例についてモニターを続け、必要に応じてさらなる措置を講じるとしている。

 アストラゼネカ製ワクチンについて、日本の厚生労働省は5月に薬事承認したが、血栓症との関連が認められたため接種を見送っている。
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