米保健福祉省(HHS)の監察総監室(OIG)は4日、バイオジェン(NASDAQ:BIIB)とエーザイが開発した早期アルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」(一般名:アデュカヌマブ)が米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を受けた経緯について再調査を行うと発表した。

 アデュカヌマブが迅速承認されて2カ月近くになるが、専門家の間では有効性に関する十分な科学的証拠がそろわない状況での迅速承認を疑問視する声があがっている。

 OIGは、この承認を巡る懸念を受け「FDAがどのように迅速承認の手続きを行うのかを評価する」としている。FDAの承認手続き自体を再調査するが、承認の科学的妥当性は調査の対象とはしないという。

 OIGのテシア・ウィリアムズ報道官は声明で、FDAの方針と手続きが製薬会社幹部や他の外部関係者との不適切な相互関係を認めるものかどうかを判断するとしている。

 FDAのジャネット・ウッドコック長官代行は7月、アデュヘルムの承認に先立つバイオジェンとFDA職員の間の関係についてOIGに調査を要請しており、HHSによる調査に全面的に協力する意向を4日ツイートした。

 一方、米エーザイ・インクのアイヴァン・チャン会長兼最高経営責任者(CEO)は4日、4-6月期(第1四半期)の業績発表において、バイオジェンともう一つの早期アルツハイマー病治療薬として共同開発しているヒト化モノクローナル抗体「レカネマブ(lecanemab)」(開発コード:BAN2401)について「一番最適かつ迅速な承認手続き」を探る意向を示した。

 レカネマブは6月にFDAから画期的治療法(ブレークスルーセラピー)の指定を受けており、安全性と有効性を検証するための第3相プラセボ(偽薬)対照二重盲検並行群臨床試験を進めている。主要評価項目のデータは2022年9月にまとめられる予定。
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