米半導体大手エヌビディア(NASDAQ:NVDA)は、9月初めに英半導体設計大手アームの買収計画を欧州連合(EU)に正式に申請し、これを受けてEU規制当局が競争法上の調査を開始する見通しだと英紙フィナンシャル・タイムズなどが27日に報じた。

 昨年9月に発表されたこの買収計画については、半導体業界内の競争を損なうとして、今年2月に米半導体設計のクアルコム(NASDAQ:QCOM)が世界各地の規制当局に計画を阻止するよう求め、アルファベット傘下のグーグル(NASDAQ:GOOG)とマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)も共に半トラスト当局の介入を要請した。

 英紙テレグラフは28日、やはりこの買収計画に反対している米アマゾン・ドットコム(NASDAQ:AMZN)や韓国のサムスン電子に、テスラ(NASDAQ:TSLA)のイーロン・マスク氏も足並みを揃えたと伝えている。

 一方、6月下旬には、半導体大手のブロードコム(NASDAQ:AVGO)、マーベル・テクノロジー・グループ(NASDAQ:MRVL)、メディアテック(聯発科技)の3社がアームの顧客としてこの買収計画の支持を表明している。

 また、英国では当局が国家安全保障上の懸念を示し、競争市場庁(CMA)は詳細な調査が必要だとしている。

 この400億ドルでの買収計画を阻止しようとする包囲網が広がりを見せる中、2022年3月までに買収手続きを終えるとしたエヌビディアの当初の見通しは厳しくなっており、22年9月まで延期される可能性が浮上している。
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