新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン候補「コバクシン(COVAXIN)」(開発コード:BBV152)を共同開発するインドの製薬会社バーラト・バイオテックと米同業オキュジェン(NASDAQ:OCGN)は11日、医薬専門誌ランセットに同ワクチンの第3相臨床試験のデータを発表した。これを受けてオキュジェンの株価は、前日比0.16ドル(1.88%)高の8.69ドルとなった。
コバクシンは、バーラトがポリオワクチンと同じ製法を用いたウイルス全体を不活性化するタイプのワクチンで、コロナウイルス特有のスパイクタンパク質を標的とするワクチンとは異なる。変異株に対する切り札として期待されている。
査読(他の研究者による検証)済みのデータによると、コバクシンは重度のCOVID-19に対して93.4%の有効性を示した。
この第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設臨床試験では、インドの25の医療機関でコバクシンの有効性、安全性、ロットの一貫性を評価した。約2万5800人が参加したこの治験での 全体の有効性は77.8%、無症候性に対する有効性は63.6%、デルタ株に対する有効性は65.2%だった。また、重篤な有害事象とされる副反応は0.5%未満だった。
世界保健機関(WHO)は先頃、これらのデータに基づきコバクシンを世界の96カ国余りで適用されている緊急使用リスト(EUL)に掲載した。
オキュジェンはコバクシンについて、カナダと米国での発売を目指している。米食品医薬品局(FDA)に対しては、成人のCOVID-19感染予防についてコバクシンを評価する第3相治験に向けた新薬治験開始(IND)申請と、2〜18歳の小児を対象とする同ワクチンの緊急使用許可(EUA)の申請を行っている。カナダ保健省に対しても緊急使用許可の申請を進めている。
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