米製薬大手イーライリリー(NYSE:LLY)は2021年3月、中国のイノベント・バイオロジクス(信達生物製薬)と共同開発した抗PD-1抗体薬「TYVYT」(一般名:シンチリマブ)について、抗がん剤ペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法との併用で、後期非扁平非小細胞肺がん(NSCLC)の第一治療薬としての販売認可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。

 FDAの抗がん剤諮問委員会(ODAC)は10日、米国での販売認可の是非についての協議を予定しているが、8日、委員会に先立ち協議資料を公表した。

 この資料でODACは、今回の申請の裏付けとなる臨床試験(ORIENT-11)は中国国内だけで行われたもので、「内因性および外因性の既知および未知の違いを伴う」米国の人種多様性を反映していないと指摘している。

 ORIENT-11は、FDAが定めた認可基準に合致しておらず、治療効果の一貫性を評価できない。この試験に登録された被験者の特徴は、米国の進行性NSCLC患者とは異なり、米国で対象となる患者や米国の治療行為には適用できる療法とは言えない。薬物動態(PK)のデータも、米国の患者に適用可能か最終判断するには不十分だとしている。

 このように認可基準を満たしていない場合、米国外のデータだけに基づいては認可できないが、薬剤の特性や検証されたデータによって、FDAは柔軟に対応する。しかし、ORIENT-11の結果は、満たされない医療の必要性を満たすものではないので、米国での適用を検討する場合、柔軟な対応を約束するものではないと述べている。
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